”見れば見るほど、モノづくりの奥深さ”
真鍮とレザーを組み合わせたアイテムを製作するブランドsoul;solidの代表作。
ムクの真鍮は、金属の高精度加工で高い評価を得る栗原精機(埼玉県川口市)が削り出しによって手がけた。
栗原精機は、医療機器や産業機器の高い精密性に応えて部品を製造し、モデルカーやラジコンなどの玩具、釣り具の小さくて複雑な形状のパーツを製造する金属加工のプロである。また、KURIHARATAKUMIブランドのもと、精巧で美しいアウトドアグッズや生活雑貨を展開する。
真鍮とは銅に亜鉛を加えた合金で、黄銅とも呼ばれる。英語ではbrassである。
余談だが、トランペットやトロンボーンなど真鍮製の楽器を主体とする吹奏楽団をブラスバンドという。
亜鉛の含有量が少ないと銅の赤味があり、多いと黄色で、より硬度も増す。
はじめは黄金色の輝きを持つが、ムク(表面塗装のない)のものは次第に酸化して、独特の重厚で渋い表情を見せる。
真鍮でモノをつくるには削り出しと鋳造がある。前者は金属の塊を機械で彫刻のように削って、かたちを生み出していく手法で、ミクロン単位の精密な加工が可能である。
後者は溶かした金属を型に流し込んで固める方法で、形状の自由度は高いが、中に気泡が入ることがあり強度は劣る。
カラビナは株式会社栗原精機、実はカラビナの命となるバネは「ばね屋」の株式会社モリモト(茨城県猿島郡)、厳めしいアクセントになっている微小なネジは「ねじや」の有限会社浅井製作所(埼玉県草加市)、タンニン鞣し・素上げのレザーは昭南皮革(兵庫県姫路市)、デザイン企画と最終製作加工はsoul;solid(愛知県名古屋市)と、日本各地の仕事人たちの手を経て、あなたのもとに届けられる。
もちろん、これを写真と筆でもってここにご紹介しているスナワチ(大阪市)もお忘れなく…。
だから、このカラビナには、金属塊から削り出された重みだけでなく、日本の奥深い技術の結実にふさわしい凄みがある。
ご自分で愛用されるもよし、大切な誰かに贈って「姿形は変わるけど、ずっとそこにある/ここにいる」と伝えるもよし。
soul;solid 真鍮カラビナ キーホルダー
真鍮/ステンレススティール/牛革