ジャパンが生んだ逸品ライター
これは、喫煙具の老舗商社である株式会社 元林が、東京下町のライター製造会社や金属加工会社と手を組んで開発した優れものライターである。
細部まであれやこれやアイデアと技術を詰め込んで製造された、実にモノづくり魂の込められたMade in Japanらしい製品となっている。
なにがすごいって、オイルの持ちが異様によい。
世界で一番有名なあのオイルライターの場合、燃料をフルタンクにしてだいたい1週間くらい持つ。というか1週間で切れる。
しかも、これはZ社の責任ではないが、たいてい補充用のオイルが手元にない、外出中に限ってオイルが切れる。そういうものだ。
そのため、毎週のように早め早めにオイルを足すのだが、面倒である。
Gear Top®は、メイカーは「既存のオイルライターでは成し得なかったロングライフ、1日1箱20本で約1カ月の使用を実現」と謳っている。
実験室ではなく、実際に数年使用してきたスナワチの実感としては、それは使用法や季節やさまざまな条件によってそこまで持たないこともあるが、少なくとも2倍は持つと言える。
その秘密は、「GT-ARM®」という特殊なインナーキャップにある。
火が点くウィックに中蓋がかぶさりオイルの揮発を防ぐ仕組みになっている。
しかも、その中蓋がライターの外蓋と連動するので、ワンアクションでの開閉は通常のオイルライターのまま。ここが優れた点だ。
加えて、オイルタンクも真鍮とステンレスの二重構造になっていて揮発を最小限に抑えることに寄与している。
外ケースの厚みは通常のライターの1.5倍の0.6mmで、前述の二重構造の内部ユニットと合わせて、手にしたときの適度な重厚感を生んでいる。
外ケースの、角を落とした特徴的な加工は、握りやすさと意匠性を同時に満たすものである。
表面を荒らした真鍮の表面に、スナワチのロゴを大胆に刻印。
弊社は、いいモノをつくるけど、説明するのはあんまり得意ではないクラフツマンの代理人として、お客さんにお伝えするのが仕事なので「スナワチ」という社名である。このロゴは、「AすなわちB」のように、ものの本質をわかりやすく伝達する接続詞である「すなわち」を、A→Bと前に進める役割と解して矢印で表したものである。
そして、ロゴを開発したデザイナーが「迷ったり悩んだりすることがあっても、はじめに目指した北極星を見失わないように」との希望を込めて、方位記号を組み合わせて完成させた。
そんなスナワチロゴを右肩上がりに刻印したGear Top®ライターは、縁起が良さそうな雰囲気がありありと感じられるだろう。
きっと手にしたひとに幸運を呼び寄せるはず。
スナワチ刻印 Gear Top®ライター
アウターケース:真鍮
インナーユニット:ステンレススティール