"届けたいものを詰めて、歩くんだ"
古き佳きモノを現代によみがえらせるために、手塗りの技法によってオイルや染料の層を重ね、陰影のあるレザーに表現するのを得意とするVASCO。
その代表作が、このポストマンショルダーバッグだ。
1900年初頭から60年代に、アメリカの郵便配達員が使っていたメールバッグを基にしている。
姫路産のベジタブルタンニン鞣しのレザーに、丘染めと呼ばれる手法で丁寧にオイルを浸み込ませ、染料を塗り込んでいく。
さらにコガシ仕上げによって、ヴィンテージのようなヤレが表現される。
ディレクターの並木氏は、「直線を壊していくイメージ」と語る。磨いたり揉んだりして仕上げていく中で、まっすぐな線を自然な曲線に、ピンと張った面を柔らかな凹凸にしていくことで、ハンドメイドならではの豊かな表情が生まれるのだという。
雨やホコリから手紙を守るフラップ、重量に耐える4mm厚のレザーストラップや要所に打たれた大きなリベット、ライニングは丈夫なコットンキャンバス地と、堅実な仕事を支えるための、しっかりしたつくりになっている。
A4が収まるボディの背面には、ぱっと引っ掴むのに便利なグラブハンドルがある。
はじめは硬めのタンニン鞣しレザーをよく使い込んで、形や風合いが変化していくのを、ともに旅するように楽しんでいただきたい。
さて、あの人に、なにを届けにいこうか。
ポストマン ショルダーバッグ
Vasco